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2017.02.18 Saturday

所有欲を満たすファーバーカステルのエモーションペンシル

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    前回に続き今回も、とても満足度の高い文房具をレポートしたい。

    鉛筆からのつながりでドイツのメカニカルペンシル、ファーバーカステル エモーション ウッド&クロームである。このコロッとしたフォルムが堪らない。


    私が紹介するのはエモーションペンシルの中でも梨の木を使った木軸のもので、樹脂軸とはまた違った持ちやすさ、経年使用による色艶の変化、木の香りを楽しめる贅沢な逸品。

    木軸の懐かしさ・温かみとクローム部分の無機質で未来的なデザインが見事に融合している。

     

     

     1.木軸とフォルム

     

    木軸の良いところは何といっても一本一本で表情が異なること、使えば使うほど色に深みが増し愛着が増していくところだろう。写真のエモーションは使い始めてから半年ほどだが、なかなか深い色合いになってきている。ペン先とキャップに使われているクロームとの相性もいい。

    軸の素材である梨の木の強度は一般的で、使用によって小傷も増えると思われるが、決して頼りない感じはなく軸の太さも相まって剛性感がある。

     

    鉛筆と比べてもわかる通りかなり太軸なのだが、ペン先に向かうにつれ緩やかに細くなる樽型のデザインによって掌への収まりは良好。職人が一本一本手作業で削り出しているらしい。ドイツのクラフトマンシップ+人間工学にもとづいた設計が絶妙な筆記バランスを生んでいる。

    軸の太さによるペンの持ちやすさは人それぞれだが、ジェットストリーム等の多色ボールペンを使う方や、太軸の万年筆などを好む方にとってもかなり持ちやすいペンシルではないだろうか。

     

     

     2.使用する芯と書き心地

     

    ファーバーカステル エモーションで使用する芯は日本では珍しい1.4mm芯。日本人が普段一番使うことが多いであろう0.3mm〜0.7mmの芯に比べると太いと感じるかもしれない。確かに漢字を書くには少々太い気がする。なので私は主にメモやイラストを描く際に使用することが多い。

     

     

    芯が太いため、使う芯のポイントによって様々な太さの線が書けるというメリットはある。また、芯は密度が高くとても滑らかな書き心地であるところで余談だが、ファーバーカステルの芯は日本のメーカーと比べると同じ硬度でも硬く感じる。というより明らかに硬い。

     

    昔、小学生の時に記念品でいただいた鉛筆で三菱やトンボがあったが、その中にファーバーカステルの鉛筆もあった。小学生が勉強で使う鉛筆の強度はだいたいHBかBだった(現代は2Bらしい)のだが、日本メーカーと海外メーカーでは書き心地に差があった。私は正直、ファーバーカステルの書き心地が硬くて(=色が薄くて)好きではなかった。記念品でもらってもあまり使わなかった覚えがあるし。

    しかしそれはファーバーカステルのBの硬さなのであり、2Bや3Bで書くと、ちょうど日本メーカーのHBやBの硬さに相当してくる。なので硬度表記と感じる硬さはそれほど重要ではく、芯の密度が芯の性能という面では重要と感じる。その点、ファーバーカステルは鉛筆が発明された当初より芯の製造をしており、十分信頼できる。

    ファーバーカステルは今一番好きな鉛筆メーカーである。

     

    最近の文房具には芯だけを削るための「芯削り」なるアイテムがある。これを使えば1.4mm芯でも先端を尖らせて使うことができ、いかなる筆記にも対応できる。その点では、ペンホルダーに装着して使う2.0mm芯と筆記や製図に特化した0.3〜0.7mmの中間にあたり、実に取り回しがきくペンシルと言える。

     

     

     3.軸の機構

     

    このペンシルを初めて使ったときに感動したのが芯の繰り出し機構である。

     

     

    まず、このペンシルの芯の繰り出し方法はノック式ではなく回転式で、キャップトップを回すと芯が出てくる。だいたいの回転式メカニカルペンシルにはクリック感があり、軸を時計回りに回すことで一定の長さの芯が出てくるのが一般的だ。しかしこのペンシルにはクリック感がなく、キャップトップを回すと回した分だけリップスティックのように芯がゆっくり回転しながら無段階に出てくる。この全く音を発しない滑らかな動作から漂う精密感が、使う喜びを掻き立てている。

     

    また、エモーションペンシルは現代発売されているメカニカルペンシルの中でも、芯の装填場所が個性的である。ペン先を外して芯を装填するのだが、軸の内側に部屋が二つあり、一部屋3本=計6本の芯を装填できる。画像では見難いかも知れないが、人差し指側の小部屋に芯が収納されているのがお分かりいただけるだろうか。

     

     

    この機構はヤード・オ・レッドのペンシルなどにもみられ、決してオートマチカルではないものの新しい芯を差し替えるときの作法として、あえて手間を楽しむことができる。

     

     

    キャップトップを外すと太い消しゴムが出てくる。樹脂製のホルダーに収まっていて交換式である。この消しゴムはエモーション専用のもので、他のものと互換性はない。ついでにはなるが、クリップはバネ式で固さがありしっかり挟み込むことができるが、ポケットや鞄の生地に触れる部分にはローレットが施されており、使う際はしっかりとクリップを開いたうえで取り出す必要がある。

     

     

    以上、今回はファーバーカステルのエモーションについてレポートしました。梨の木軸にはブラウンとダークブラウンとブラックがあり、どれも所有感を満たしてくれます。素材は梨の木以外にもライトメープル(エモーション ウッド&メタル ライトメープル)、樹脂製でオールブラックのもの(エモーションペンシル ピュアブラック)などいくつかバリエーションがあり、自分に合ったデザインを選ぶことができます。

     

    お気に入りの文房具を使うと作業や仕事が楽しくなります。

    これぞ!という一本を探す参考の一つになれば幸いです。

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